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ICO規制に関するメモの改訂版です(和文・英文)。仮バージョンなので、また修正するかもしれません。Here attached is amended memorandum regarding ICO regulations in Japan. I am still discussing with regulators. Thus I may change my opinion in future.

(Japanese) 180104_ICOの法的整理

(English) 171207(2)_ICO under Japanese laws

[更新履歴]

2017年12月7日に日英をアップ、同日に誤字等少し修正

2018年1月4日に日本語版の記載順序などを修正

備忘用リンク集
(1) SEC Chairman Jay ClaytonのICOレター (Dec. 11, 2017)
https://www.sec.gov/news/public-statement/statement-clayton-2017-12-11
Statement on Cryptocurrencies and Initial Coin Offerings

(2) Dec. 11, 2017
Company Halts ICO After SEC Raises Registration Concerns
https://www.sec.gov/news/press-release/2017-227


後で何かの参考になるかと思い(1)のうちの「CryptocurrencyまたはICOへの投資機会を検討中の投資家が自ら問うべき確認事項」を内部で訳出したもの(番号は原文にはなし)

① 実際の契約の相手方は誰か?
② 誰が商品を発行し、スポンサーしているのか、スポンサーのバックグラウンド(概要)、スポンサーは商品の網羅的かつ完結した説明・要綱を提供しているか?スポンサーからは書面にて明瞭なビジネスプランが提供されていて、自身これを理解できているか?
③ 誰が商品を宣伝またはマーケティングしているか、当該売出人のバックグラウンドは?また、当該売出人は商品を販売するライセンスを有するか?当該売出人は商品を宣伝することによる報酬を得ているか?
④ ICO企業の現実の所在地は?
⑤ 自身の払込金は実際どこに移動し、その資金使途は?自身の払込金が他の者への「現金払戻」に使用される場合が有り得るか?
⑥ 投資することによって自身が手にするのは具体的にどのような権利か?
⑦ 財務諸表は作成されているか?作成されている場合は監査済みか?
⑧ 取引のデータが存在するか?存在する場合、当該取引データを検証する方法は?
⑨ 私自身の投資持分は、いかなる方法で、いつ、いかなる費用を払えば、売却・処分できるか?たとえば、私自身トークンやコインを会社に返還する権利や払い戻しを受ける権利を持っているか?私はコインやトークンを転売することができるか?転売可能の場合、転売に何か制約・条件が付されているか?
⑩ デジタルウォレットが関係する場合、鍵を紛失するとどうなるか?紛失後も投資持分にアクセスできるか?
⑪ ブロックチェーンが使用されている場合、プライベート・ブロックチェーンか、パブリック・ブロックチェーンか?コードは公開され、独立したサイバーセキュリティ監査が行われているか?
⑫ 募集は証券法を遵守すべく構成されているか?もし証券法に抵触する可能性が有る場合、ICO企業の安定性と私自身の投資価値にどのような影響が有るか?
⑬ 詐欺、ハッキング、マルウェア、またはビジネスの見通しが悪化した場合、法的保護が利用可能かどうか。何か問題が生じた場合、私の投資を払い戻す責任は誰にあるのか?
⑭ 自身が法的権利を有する場合、これを現実に執行できるのか?この権利が侵害された場合、当該権利侵害につき、自身に対し補填するための十分な資金があるか?

Sample Questions for Investors Considering a Cryptocurrency or ICO Investment Opportunity

Who exactly am I contracting with?
Who is issuing and sponsoring the product, what are their backgrounds, and have they provided a full and complete description of the product? Do they have a clear written business plan that I understand?
Who is promoting or marketing the product, what are their backgrounds, and are they licensed to sell the product? Have they been paid to promote the product?
Where is the enterprise located?
Where is my money going and what will be it be used for? Is my money going to be used to “cash out” others?
What specific rights come with my investment?
Are there financial statements? If so, are they audited, and by whom?
Is there trading data? If so, is there some way to verify it?
How, when, and at what cost can I sell my investment? For example, do I have a right to give the token or coin back to the company or to receive a refund? Can I resell the coin or token, and if so, are there any limitations on my ability to resell?
If a digital wallet is involved, what happens if I lose the key? Will I still have access to my investment?
If a blockchain is used, is the blockchain open and public? Has the code been published, and has there been an independent cybersecurity audit?
Has the offering been structured to comply with the securities laws and, if not, what implications will that have for the stability of the enterprise and the value of my investment?
What legal protections may or may not be available in the event of fraud, a hack, malware, or a downturn in business prospects? Who will be responsible for refunding my investment if something goes wrong?
If I do have legal rights, can I effectively enforce them and will there be adequate funds to compensate me if my rights are violated?

ビットコインに関連する犯罪の例のレジュメ

国民生活センターや警察等で何度か話したもの。例えばパスワードの強度を上げましょう、とか、2段階認証/2要素認証をしましょう、などの基本的なことしか書いていませんが、何かの注意喚起に使える役に立つかも、と思い、アップロード

171206_ビットコインに関連する犯罪の例

 

2017年10月5日にAnyPayさん主催のICO Conferenceで話をしたので、その資料を掲載。

以前、掲載したICOに関する「詳細版」から考えを少し整理したり、ニュアンスを変えたりしている部分、他国の状況についてアップデートした部分などがあります。詳細版も替えたほうがいいのでしょうが、今度2時間くらい話すセミナーがあるので(https://www.fngseminar.jp/seminar/index.php?p=detail&num=3440)、その際に準備かなぁ、などと思っています。

ICOの法的整理_171005

色々なところでInitial Coin Offeringについて議論になっているので、少し法律関係を纏めてみました。長くなったので法律オタクの人むきですね(笑)
仮想通貨法、ファンド規制、消費者契約法、税務、他の法律との比較感、米国のICO規制などについて書いたので、ご関心ある部分をご利用下さい。

なお、今後、セミナーなどで使用しようと思っているドラフトなので、議論の結果等を踏まえ将来的に考えを変える可能性があります。
(7月4日初校、10日若干修正、27日に25日のSEC Investigation Reportに関連する点を追記し、併せて税務面を少し記述。29日に消費税について加筆)

(古いレジュメ: 170727_ICOと日本法(ver1.2) → 直リンクの方用に暫く置いておくもの)

(7月29日改訂版レジュメ: 170729_ICOと日本法(ver1.3) )

10月26日付レジュメ http://www.so-law.jp/pdf/171026.pdf

国会でも取り上げられた(参議院財政金融委員会平成29年6月18日付質疑、VALUで検索したところで出てきます)ということで、VALUについて少し書いてみます。
VALUは仮想通貨法上の「仮想通貨」に該当するのでしょうか。
これは結論としては、1号仮想通貨には該当しない、他方、2号仮想通貨に該当するかはよく判らない、ただ、現状の仕組み(現状β版)の範囲では当たらないと考えることも充分できる、ということになると思います。

仮想通貨法の仮想通貨の定義

仮想通貨の定義は資金決済に関する法律の2条5項にありますが、2種類の仮想通貨があり、それぞれ以下のように定義されています。

1号仮想通貨の定義
「物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」

2号仮想通貨の定義
「不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」

考え方: 「不特定」に該当しない?
このうち、1号仮想通貨については、私が見る限り、VALUは現状、提供者のサービスを受ける、という目的にのみ使用され、「不特定の者に対して使用できる」に該当しないので定義に該当しないということになりそうです。

他方、2号仮想通貨については、「①不特定の者を相手方としてBTCとの間で相互に交換できる」「②電子機器に記録された財産的価値」であり、かつ、ネット上で売買できるので「③電子情報処理組織を用いて移転することができる」に該当する、従って、2号仮想通貨に該当するようにもみえます。
ただ、この①について、現在、VALUはあくまでVALUの会員登録をした内部でのみ移転が可能な仕組みのようであり、そのために「不特定多数の者」と交換できるものではない、とVALU運営側は考えているようです。Ready ForのQ2参照。

仮想通貨の定義の「不特定」の概念について、金融庁は限定的に解釈しているようです。例えば1号仮想通貨の定義の「不特定の者に対する使用」については、発行者と店舗等との間の契約等により、代価の弁済のために仮想通貨を使用可能な店舗等が限定されていないか」、「発行者が使用可能な店舗を管理していないか」等の要件が課されます(仮想通貨ガイドラインの4頁I-1-1参照。なお、この規定及び通貨建資産の除外の規定により通常の電子マネーは仮想通貨の定義から除外されます。)。

また、2号仮想通貨の「不特定」は、仮想通貨法ガイドラインでは「発行者による制限なく、1号仮想通貨との交換ができるか」、「1号仮想通貨との交換市場が存在するか」等の要件が基準になります。もし、運営側が会員間でのみ売買を認めるとしており、実際にその仕組みが担保されているのであれば、それは「不特定」の間の交換ではない、と考える余地は充分あります。(6月22日(木)午前1時38分追記: 他方、誰でも会員登録でき、それで売買できるのだから「それは不特定だ」という考え方もありえます。「不特定」の考え方次第です。ただ、ここで不特定の範囲を狭くしすぎるとそれはそれで他の商品を考えた場合に問題が出る場合も・・・)

VALUの移転の仕組みについて、規約を見るだけではどういった仕組みなのか良く判りません。報道ではブロックチェーン技術を活用しているようですので(TechCrunchさんの記事など)、ブロックチェーン上で発行されブロックチェーン上で移転可能な仕組みなのか、とも想像されますが、他方、VALU利用規約上、「当社は、VALUの発行及び売買を制限し又は取り消し、又は発行済みのVALUを無効とすることができるものとします。」等とありますので、現在は、各種の制限が加えられる仕組みになっているように見えます。

ファンクラブ会員権、株式とかがBTCで売買された場合は?
なお、2号仮想通貨については定義上、仮想通貨の範囲を限定しすぎて脱法的な仮想通貨が発行されないようにするために、広めの定義になっています。そのため、VALUのような商品や各種の新しい商品が出てきた場合、2号仮想通貨に該当するか否かは、検討を要することになります。

例えば、VALUについては、価格がついており移転がされる、という違いがあるだけで、ファンクラブの会員権のようなものにも見えます。ファンクラブの会員権が紙では発行されず、単にコンピュータ上で記録されている、その会員権がオークションサイトでBTCで売買できるようになっている、という場合、ファンクラブ会員権は仮想通貨になるのでしょうか?

また、VALUは株式に類似する、等の説明もされています。
例えば、上場されている株式(無額面株式)をオンライン証券でBTCで売買できるようになった場合(現在、そのようなことは金融庁から認められないと思いますが笑)、当該株式は「仮想通貨」になってしまうのでしょうか。現在の株券は電子化されており紙では発行されていない、また移転もほふりでの移転でなされるので「電子」的になされる、そしてBTCと相互に交換できる、また無額面株式であれば通貨建資産には該当しない、とすれば、2号仮想通貨の定義に該当するようにも見えます。証券会社で口座を開いた人の間でしか売買できないことから「不特定」ではないと考えるか、それともほふりでの移転は「③電子情報処理組織を用いて移転することができる」に該当しないと考えるか・・・・

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仮想通貨については「情報通信技術は急速に進展しており、日々、変化するものであることから、仮想通貨の該当性については、その利用形態等に応じて、最終的には個別具体的に判断する」とあり(上述仮想通貨ガイドライン4頁)、個別判断になります。ただ、ブロックチェーン上に各種権利が乗ってきた場合に、どう考えるのか、というのは面白いですね。