仕事中のけがや仕事が原因の病気を労災(労働災害)といいます。
通常の通勤途中でのけがも通勤災害として労災と認められる場合がありますし、
過労死や過労自殺も、仕事の負担が原因の病気によるものですから労災のひとつです。
労災と認められれば、雇用主の加入している労災保険から、入院や通院にかかった費用を補償してもらうことができます(療養補償)。
仕事を休まなければならなくなった場合には、その間の給料の80パーセントを補償してもらうことができます(休業補償)。
後遺症が残った場合には、後遺障害が確定した時点で一定の補償が支払われたり(障害補償一時金)、その後月々一定の補償が支払われたりすることがあります(障害補償年金)。
労災のために労働者が亡くなってしまった場合には、原則として亡くなった方の収入で生計を立てていた家族が、葬儀にかかった費用(葬祭料)や、遺族補償一時金、遺族年金を受けることができます。
雇用主には労災保険に加入する義務がありますから、たとえ雇用主がその義務を怠っていても、労災にあった労働者は労災保険による補償を受けることができます。
労災の申請は、雇用主にしてもらうことができます。
けれども、雇用主が労災を認めようとしない場合には、自分ですることもできます。
ただ、証拠を収集する必要があるような場合(たとえば過労死・過労自殺の場合のように労災認定基準を満たしていることを証明する必要がある場合や、石綿肺のように何十年も前に粉じん職場で就労していたことを証明する必要がある場合など)には、専門家の手助けが必要な場合も少なくありません。
注意しなければならないのは、労災申請の時効です。療養補償、休業補償、葬祭料は2年以内、障害補償、遺族補償は5年以内に請求する必要があります。
労災保険による補償を受けた場合でも、収入の全額が補償されるわけではありませんし、労災による精神的損害は償われません。
それら労災保険によって補償されない損害については、使用者に対してその賠償を求めることができます。
特に、労働者が亡くなっている場合や重い障害が残っている場合には、損害額はかなり大きく(1億円にのぼることもあります)、労働者の遺族や労働者の将来の生活不安を少しでも和らげるため、使用者への損害賠償請求を検討されるほうがよいと思われます。
労災申請や使用者への損害賠償請求については、当事務所までお気軽にご相談ください。