過労自死とは、過重労働、職場でのストレス、ハラスメント(いじめ)が原因となってうつ病等の精神障害に罹患し、自死に追いつめられることをいいます。
過労自死に似た社会問題として過労死がありますが、過労自死も過労死も、過重労働、職場でのストレス、ハラスメントよって体調を崩し、その後、無理をして仕事をせざるを得ないような状況に追い込まれることにより体調が徐々に悪化し、最終的には死に至ると言う点では全く同じ問題であるといえます。
厚生労働省が発表した精神障害等に係る労災補償状況によれば、過労自死の件数は、近年増加する傾向にあり、平成20年度は平成16年度と比較すると、請求件数、決定件数とも約2倍にとなっています。
過労自死における労災の認定基準は、「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」(基発第544号・平成11年9月14日)及び、「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針の一部改正について」(基発第0406001号・平成21年4月6日)においてにおいて定められています。
労災上、過労自死として認定されるためには、
(1) 対象疾病に該当する精神障害を発症していること
(2) 対象疾病の発症前おおむね6か月の間に、客観的に当該精神障害を発症させるおそれのある業務による強い心理的負荷が認められること
(3) 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により当該精神障害を発症したとは認められないこと
が必要となります。 (1)の対象疾病は、国際疾病分類第10回修正第Ⅴ章「精神および行動の障害」に分類される精神障害に限られています。
次に、(2)の要件は、具体的出来事(ノルマが達成できなかった、ひどい嫌がらせ・いじめ・暴行を受けたなど)における心理的負荷の平均的強度を個別事情によって修正し、出来事発生後の状況が持続する程度を加味した上で総合判断した結果、心理的負荷の強度が「強」と認定される必要があります。
最後に、(3)の要件は、業務上の心理的負荷の強度が「強」であることを前提として、業務以外の心理的負荷及び個体側要因により当該精神障害を発病したとは認められないことが必要となります。
過労自死事件は、過労死事件と同様に、過労を裏付ける証拠の多くが企業側にあり証拠の収集が困難であること、訴訟に至る可能性が高いこと、労災・行政訴訟・民事訴訟に関する専門的な知識が必要であるといった特殊性があります。
また、過労自死事件は、過労死事件と異なり、労働時間の長さでは捉えられない質的過重性が問題となる場合も少なくありません。
加えて、ご遺族は、大切なご家族を自死で亡くした悲しみの中で、法的な手続きを進めて行かざるを得ません。
当事務所では、上記のような過労自死事件の特殊性を踏まえた上で、皆様のご相談をお受け致しますので、お気軽にご相談下さい。
なお、既に社会保険労務士や司法書士など訴訟代理権を持たない業種や、当事務所以外の弁護士に事件を依頼されている方に対しては、セカンドオピニオンも行っておりますので、この点についても、お気軽にお問い合わせ下さい。